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河南の概要
 
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  河南省は中国の中東部、黄河の中下流域にあり、その大部分が黄河の南に位置することから河南と言われています。古代、黄河中下流域は縦横に流れ、緑も生い茂り、野生の象も多く、また河南の形状が象を引く人の姿に見え、それが豫の象形文字の由来となり、そしてまた河南省の略称である“豫”の由来となりました。《尚書・禹貢》において天下は“九州”に分けられますが、豫州は天下九州の中に位置し、現在の河南省の大部分が豫州に属し、古代には“中原”“中州”と呼ばれていました。

  河南省は北緯31度23分~36度22分、東経110度21分~116度39分に位置し、東は安徽省・山東省、北は河北省・山西省、西は陕西省、南は湖北省と接し、中部地帯として交通の大変便利な場所です。河南の地理的優勢があり、古代には陸路、水路の中継地として商業の盛んな場所でした。現在、沿岸開放地区と中西部地区の中継点として、我が国の東から西への経済発展促進政策の中間点となっています。国の中部地区開発戦略の対象となり、更に地位的優勢が高まりました。全省の総面積は16.7平方キロメートルで、その広さは全国で17位、中国全土の1.73%を占めます。地形的には西高東低で、北、西、南の三方を、太行山、伏牛山、桐柏山、大別山が他省との境界を半円状に囲んでいます。中、東部は黄淮海の活動により形成された平原地帯で、西南部には南陽盆地があります。平野部、盆地、山地、丘陵地帯の面積は、それぞれ総面積の55.7%、26.6%、17.7%です。霊宝市内の老鴉岔が河南省においての最高峰で、海抜2413.8mです。海抜が最も低いのは、固始県准河の省境で、23.2mしかありません。2007年現在、省の耕作地は7,926,000haで、一人当たりの耕作面積は約8aです。

  河南の大部分は温暖地域で、南部は亜熱帯の影響を受けており、北亜熱帯気候から温暖気候にまたがる大陸性季節風気候で、同時に東の平原気候から西の丘陵山地気候までに渡ることから、四季がはっきりしており、雨と暑さが同時に訪れ、複雑多様で気象災害が頻繁だという特徴があります。全省の南から北にかけての平均気温は15.7~12.1℃で、年平均の降水量は1380.6~532..5ml、6~8月の降水量が最も多いです。平均日照時間は1848.0~2488.7時間、無霜日は189~248日で多種の農作物の成長に有利な条件が整っています。河南は長江、淮河、黄河、海河の四大流域に広がっています。省内に流れる川の大部分は西部、北西部及び東南部の山を源流とし、流域面積100万平方キロメートルの河は493本有ります。年間平均水資源総量は405億㎥で全国19位、一人当たりの水資源は420㎥不足しており、全国平均の5分の一のレベルです。省内には47020平方キロメートルの林業用地があり、森林面積は全体の17.32%、林面積は全体の23.77%になります。省内には35箇所の各種自然保護区があり、その総面積は7569平方キロメートルにもなります。湿地面積は11087平方キロメートルで、全体の6.6%です。動植物の資源も豊富で、森林公園94箇所、確認済みのもので520種もの陸生脊椎野生動物がおり中国国内のその総数の23.9%を占めており、国家重点保護野生動物も90種確認されています。

  河南の地層豊富で、地質構造も複雑で、鉱山資源も豊富で、中国国内において重要な鉱山資源発掘地でもあります。現在、発見されている各種鉱物の種類は127種(亜鉱種158種)。その中で発見されているものは75種;開発利用しているものは86種あります。発見されている鉱山資源は全国首位のものが8種、三位以内のものが19種、五位以内のものが26種あります。石炭、アルミニウム、モリブデン、金、石油、天然ガス、天然塩基、蛍石、耐火粘土等の埋蔵量は比較的多く、石油の埋蔵量は全国で12位、石炭8位、天然ガス17位となっています。

  河南は中華民族の発祥の地の一つです。夏代から北宋の前後、20の朝廷がここに都を置き、長期にわたり全国の政治、経済、文化の中心でした。中国八大古都の中の九朝古都洛陽、七朝古都開封、殷商古都安陽、商都鄭州の4つが河南にあります。文物古跡が多く、その地下文物及び博物館保管発掘文物は全国一で、記録によると人類の祖先は豊かで広大な中原地区に生息し、裴李崗文化遺跡、仰韶文化遺跡、龍山文化遺跡;“人祖”伏義太呉陵、黄帝故里、軒轅丘;最古の天文台である周公測景台;歴史上初の関所函谷関、最初の禅宗寺院白馬寺;“天下第一名寺”嵩山少林寺、その名が内外に知れ渡る相国寺などがあり、省内に計189箇所の国の重点文物保護単位があります。洛陽の竜門石窟、安陽の殷墟はユネスコの世界文化遺産にも登録されています。

  河南省は姓の重要な発祥の地でもあります。現在有る300の姓の内171が河南に由来し、中国における姓のベスト100中の78の姓が河南発祥または部分的に河南発祥であり、“陳林半天下、黄鄭排満街”と言われる海外の四大姓の発祥の地でもあります。近年来、自身の姓のルーツを探しに河南省を訪れる内外の旅行客が後を絶ちません。

  古くから河南省は多くの優秀な人材を生み、育て育んで来ました。古代の哲学者・思想化の老子、庄子、墨子、韓非、程頣、程灝、政治家・軍事家では姜子牙、商鞅、蘇秦、李斯、劉秀、張良、司馬懿、岳飛、科学者・医者では張衡、張仲景、僧一行、文学家・芸術家では杜甫、韓愈、白居易、李賀、李商隠、司馬光、褚逐良、呉道子、佛教家玄奘、それに現代史上の抗日英雄吉鴻昌、呉煥先、楊靖宇、革命先駆者鄧穎超、彭雪楓、許世友、“県委書記の見本”焦裕禄等を生み出しました。

  河南は歴史文化資源が豊富であるとともに、自然景観も素晴らしく、山河も雄大で、風光明媚、北方の自然の中に南方の自然が一部共存しています。省内には8箇所の国家級風景名所があり、省クラスの風景名所が23箇所あります。鄭州の嵩山、洛陽の龍門山、白雲山、信陽の鶏公山、焦作の雲台山、済源の王屋山、平頂山の石人山、安陽の太行大渓谷、南陽の宝天曼、老界嶺、鶴壁の雲夢山、駐馬店の嵖岈山等美しく素晴らしい景色を見る事が出来ます。黄河は西から東に流れ、三門峡を出た後小浪底を経て黄淮平原に入り鄭州から開封にかけての土地は、黄河の底より低く、独特な自然景観を生み出しています。鄭州・開封・洛陽の黄“三点一線”及び南太行景区は国内外にも良く知られる旅行路線であり、伏牛山生態旅行の開発も始まりました。紅色旅行(共産党に関する旅行区)も急速に発展し、省内に紅色旅行区は26箇所、駐馬店確山県竹溝革命記念館、信陽市紅色旅行系列景観区(点)、南陽桐柏英雄記念館、鄭州二七記念堂等、四箇所の紅色旅行区があります。また工業旅行、農業旅行などの項目も内外の旅行客に人気です。

  河南省の人口は全国一で、2009年年末時点で総人口は9967万人、その中で都市人口は3758万人、全体の37.7%、農村人口は6209万人、全体の62.3%となっています。人口密度は1キロ平方メートル当たり568人です。河南省には漢族を除き55の少数民族が居住しており、その人口は138.91万人、その内119.69万人が回族で、全国第三位です。省内には3つの民族区、21の民族郷(鎮)、863の民族居住村、一万人以上の少数民族を有する県(市、区)は48箇所あります。

  河南は鄭州、開封、洛陽、平頂山、安陽、鶴壁、新郷、焦作、濮陽、許昌、漯河、三門峡、南陽、商丘、信陽、周口、駐馬店等の17の市、済源市の1つの省直轄市、20の県級市、88の県、50の市管轄区、1892の郷鎮、464箇所の政府連絡所、3404の地域居委会、477556の村委会で形成されています。

  河南は全国でも有数の軽重農業大省で、穀物生産寮は毎年全国生産寮の十分の一を占め、その中でも小麦の生産量は全国の四分の一を占めます。2010年の穀物生産量は1087.4億トンに達し、11年連続で全国一位を保持しています。また工業面でも全ての産業のそろった省の一つであり、工業体制が完備されており、2010年の工業関係生産総額は2兆2942億6800万元で全国五位を保持し、中西部地区で首位となっております。

 

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